Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

アメリカ留学記 ~艱難辛苦の米国留学~

-悲しかったり、楽しかったり、いじけたり、頑張ったり-

04 -アパート話-

このアパートは月635ドルで冷暖房完備、家具、水道代込みです。私の前に住んでいた日本人留学生のものを全てそのまま使わせて貰いました。電話・Fax、 食器、・・・洗剤、トイレットペーパー等全てです。とても快適なアパートでした。私が過去に住んだ住居では最高のものでした。

共用のプールもありました。アメリカは土地が滅茶苦茶安いのです。だから日本より何もかも安く出来るはずです。バブル崩壊の意味が米国に住むと実感出来ます。絶対的には価値のない土地の値段を限り無くつりあげて、日本は金持ちになった気になっていたのです。

アパートの不動産屋のオバサンが何を言っているか判らず、何度も聞き返していたら顔を赤くして下を向いてしまいました。後で聞いたところによると南部訛りが強い方とのことでした。私にとっては標準英語も南部英語も全て英語で判らないことには違いがないのですが、相手にはそれが判らないで、恥ずかしいらしいのです。

その後も隣の紳士が南部訛英語を標準英語に通訳してくれたり。逆に“あの子何て言った?”て聞かれたりもしました。Duke Medical Centerの中でも、スペイン訛り、アルゼンチン訛り、オーストラリア訛りとかの英語が飛び交ったいましたが、英語が判らない医者は私だけのようでした。

実は先住者の日本人から中古車を売りたいという案内がfaxで送られてきて、車を買ったついでにapartも引き継ぐことにしたのです。中古車は16万km程走っているもので4000ドルでした。帰国の直前2000ドルで売りました。日本だと鉄くずのような車です。米国は消費文化というのは嘘で、どっちが徳か考える合理的ケチ文化です。傷物、中古だからと言って激安ということはありません。人の使ったモノでも使えれば平気のようです。Thrive shopと言ってとんでもない中古品専門の店が所々ありました。またGarage saleも実に頻繁に行われていました。米国人は実にケチで(合理的)、そういう人達が他国からやって来て、Surviveしているのです。

ところでこのapartには立派な暖炉がついていました。なんせ冷暖房完備ですから、全く必要のないものでした。暖炉がついていると家賃が高くなります。暖炉と煙突は西洋人にとって家庭・安らぎのシンボルなのです。何もかもが合理的ではなく、彼らにも、それなりにお金を越えた価値観があるのは当然ですね。なんせ煙突が無いとクリスマスにサンタさんが来れませんから。

≪このページのトップへ戻る≫