肩関節MRI 予想外の所見 PartⅡ
MRI・CT Imaging?Center?メディカルサテライト八重洲クリニックより読影依頼のあった肩関節MRIの中で、予想外の所見を呈した症例の一部を供覧する。
対象
対象症例は2007年のある二ヶ月間の疼痛肩74例である。
症例の大半は、腱板断裂、関節周囲炎が疑われていた。
(不安定肩症例を除いた。)
*予想外:有所見で、単純な腱板断裂ではない。
結果
74例中、23例が予想外の所見を呈していた。(高頻度)
結果の内訳
- 長頭腱損傷:5
長頭腱炎、脱臼、腱損傷、・・ - 腱板損傷:8
肩甲下筋腱、腱内断裂、停止部剥離、 - 亜脱臼後変化:3
後方亜脱臼、骨性のBankart lesion - 骨挫傷:5
- その他:6
腱板疎部損傷、陳旧性石灰沈着炎、関節軟骨損傷、ガングリオン、肩甲下筋腫瘍、後方関節唇損傷
予想外に多様性を呈する不思議
メディカルサテライト八重洲クリニックの症例がかくも多様な所見を呈するのかは謎である。
- 依頼医師が通常の疼痛肩ではないと判断している可能性がある。
- 肩関節は理学所見から診断が難しい。
- 大都市の多様な職業歴、スポーツ歴を持つ患者さんが多い。
- 転倒等の外傷歴のある症例が多かった。脂肪抑制T2WIで所見の多くが描出されていた。
- 丁寧な撮影、読影で通常見落とされている所見を拾い上げている可能性もある。