Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

アメリカ留学記 ~艱難辛苦の米国留学~

-悲しかったり、楽しかったり、いじけたり、頑張ったり-

36 George Winston、そしてElton Johnのconcertに行く

世界的ニュースにもなったNorth Carolina で大雪が降ったあとの1月31日、George WinstonのconcertがDurhamで予定されていた。George Winstonは癒し系ピアニストである。“December”はわざわざ日本から持って行って聞く程好きなCDアルバムであった。地図を何度も確かめてから、Ticketを買いに会場のCarolina theatreへ出かけた。私は方向音痴で、車の運転も下手くそである。ぐるぐる回って、やっとこCarolina theatreらしき建物を見つけて、あわてて車を停めたら、後ろから来ていた大型トラックの黒人運転手に“What a stupid boy!”大声で怒鳴られた。私の下手くそな運転で、危うく交通事故になるところであったのであろう。この時の“What a stupid boy!”は強烈鮮明であった。これ程、私の脳細胞に深く刻み込まれた英語音は他にない。妙に感心したものである。のんびりした南部の田舎だったので、私のような下手な運転でも生きのびることが出来ていたのだと思う。

ところでconcert当日になっても、まだ道路に雪が残っているので、電話をかけて公演は中止かと問い合わせたところ、以外にも予定どおり行うという。夕方、おそるおそる車を出してみると幹線道路の雪は融けていた。

さてconcertであるが、CDで聞くより、はるかにjazzに近い演奏で、私の知っているメロディは一つも無かった。ハーモニカやギターの演奏も披露された。Carolina theatreは、小さくてとても雰囲気の良い会場ではあったが、concertはつまらなかった。後日、「George Winstonのconcertに行ったけれど、良くなかった」と台湾出身のJohnに言ったところ、「George WinstonのCDはとても素晴らしいけれど、ライブはダメなんだ」と教えられた。そういうことかと納得した。

今度は、2月5日土曜日にElton JohnのconcertがFayetteville NC Crown Coliseumであることを知った。ここは高速道路で二時間近くかかる遠くの町で、とても私は一人で行く勇気がない。矢田先生を誘ったら、ラボが早く終わる土曜日でもあり、喜んで一緒に行ってくれることになった。Elton Johnはダイアナ妃が亡くなった時に追悼の“Candle in wind”を歌ったこともあり、大人気でticketは何処のサイトも売り切れであった。それでも諦めきれずにinternetで3時間も探して、何とかticketが残っている販売所を見つけた。Ticketは電話で購入する仕組みになっていた。私のcredit card番号を言い、予約番号を教えてもらう。当日ticket売り場で予約番号を言えば良いとのことであった。やっと手に入れたticketは、安い席であったが、それでも45ドルもした。

矢田先生と早めに出かけた。会場はfootballも出来る大きなアリーナであった。早すぎて、まわりに誰もいない。ticket売り場をやっと見つけて、おそるおそる予約番号を告げると、あっさりticketを二枚渡された。時間があるので、近くにパンケーキ屋さんを見つけて、食事をすることにした。私はblueberryのパンケーキを注文した。山盛りblueberryを見て嬉しくなり、最初はとても美味しいと思ったけれど、徐々に口の中が甘くなり、 その量の多さにへきえきしてしまった。米国の大衆restaurantで10 ドルも出すと大抵は食べきれない。それでも私は何時も矢田先生よりは美味しいものを注文出来ていたと思う。矢田先生は、運転は上手いが、美味しものを見つけて注文するのは下手だった。

さて会場に入ると、我々の座席はステージの斜め後ろであった。舞台の前では開演前から、ノリノリのおばさん達が踊りまくっている。本物のbodyguardがカモシカのような身のこなしで興奮したお客さんを取り押さえるとろも見ることが出来た。会場は凄い熱気である。座席はElton Johnの背中を見ることになるのだが、広い会場の中ではElton Johnにかなり近いところである。Elton Johnの一人だけのコンサートで、電子ピアノとシンセサイザーを駆使した公演であった。CDで聞くより、blues風に歌っている。南部アメリカに合わせているのだろう。全曲歌い終わったあと会場は興奮のるつぼで、凄いアンコールが沸き起こった。Gayらしい派手な黒の舞台衣装からジャージに着替えたElton Johnが現れて、“Candle in wind”を歌った。会場の感動が、矢田先生の感動が、そして私の感動が一つになっていた。米国滞在中最大の感動であったと思う。今でもElton Johnの曲を聞くと、矢田先生と二人で行ったFayettevilleのconcertの感動がよみがえる。頑張って行って良かった。

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