Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

アメリカ留学記 ~艱難辛苦の米国留学~

-悲しかったり、楽しかったり、いじけたり、頑張ったり-

37 車検、健康保険、自賠責保険、運転免許証

Duke大学からの帰宅時、車がエンストをした。運良く私のアパートの入り口で車が止まったので、Duaneに電話して修理に来て貰い、事なきを得た。
この時、Duaneから、「inspection(車検)が切れている。見つかると80ドルの罰金である」と指摘された。 80ドルは大金だと慌てて、車検を更新した。
私は事務的なことが大の苦手である。日本語で書かれている書類もろくに読めない性格である。実は、米国留学する際に義務づけられている健康保険にも入ってなかった。留学手続き書類には「自分の遺体も日本に送れる」保険に入るようにと書かれている。
留学手続きの英語書類は丁寧に読まなかった。「めんどくさい」、「まぁいいや」と思って保険には加入していなかった。矢田先生は、ひどい頭痛のためにアパートから病院へ救急車で搬送されたそうだ。
この時の高額の医療費は日本の保険会社があっさりと支払ってくれたとのことである。米国に来てから、運良く病気らしい病気をしてなかったが、2月に入り軽い風邪をひいた。それで病気や事故になったら大変だと不安になった。
米国に来てからもう半年以上も経っていたが、Duke大学の留学生会館へ行って、残り半年分の保険に入った。ところで、国際運転免許証は取得日から10ヵ月間有効である。ノースキャロライナ州では、転入後3ヶ月以内に運転免許証を取得することが義務づけられている。
これも「まぁいいや」と先延ばしにして、州の運転免許証を持っていなかった。国際免許証が切れる直前にノースキャロライナの免許を仕方なく取得することになった。ターキーさんや矢田先生に試験問題集を借りて勉強をした。
免許センターはアパートから比較的近い所にあり、小さなオフィスであった。パソコンで行なう簡単な文章問題と、試験官がパソコン上でランダムに道路標識を出してそれに答える簡単な試験のあとで、実技があった。
大柄な女性の試験官の指示を受けながら、免許センター周辺の道を運転して、最後に車庫入れみたいなことをして無事に終わった。顔写真を撮影する時、フラッシュで目をつぶってしまった。再撮影して貰いたかったが、係の黒人男性と英語で交渉するのが面倒くさかったのでそのままにした。

eyes:BROはおそらく、目の色はBrownということでしょう。
写真は気に入らないけれど、良い想い出です。

それで10年有効の私の運転免許証の顔写真は目をつむっている。私本人のようには美男子に写っていないのはとても残念である。ところで、米国に着いてすぐに、ターキーさんに連れられて車の自賠責保険には入っていた。
この保険は残額を小切手で振り込む必要があったのだが、請求書を他のジャンクメールと間違って捨てており、実は自賠責保険も切れていた。私は免許を習得する時に、この有効期限切れの自賠責保険書を見せていたのだが、担当官は気付かなかった。日本人留学生は、集まれば米国社会は“いいかげん”と悪口を言って盛り上がるのだが、この時ばかりは“いいかげん”さに救われた。
ターキーさんに「帰国する時は車の保険屋さんに挨拶に行くように」と言われていたので、一応、「帰国します」と挨拶に行った。帰国後、暫くして余分に支払った保険金が小切手になって秋田に送られてきたのにはビックリした。“いいかげん”と言っても個人に依存する。米国人でも“律義”な人は日本人以上に“律義”で親切である。

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