Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

アメリカ留学記 ~艱難辛苦の米国留学~

-悲しかったり、楽しかったり、いじけたり、頑張ったり-

24 -時差-

大人になるにつれて、月日は矢のように速く過ぎて行きます。それにもまして“あれもしたい、これもしたい”という欲深な気持でいる留学期間中は、何も出来ないままに残された時間がどんどんと減って行き、焦燥感のみが倍増して行きます。

何人もの留学生の世話をしているターキーさんに言わせると「何も出来ない日本人留学生も帰国する頃にやっと米国生活にも慣れて、帰国の準備だけは、上手に出来るようになる」とのことでした。

一方、留学期間の楽しい出来事はまるで幼い頃の想い出のように“長く、長く”思い出すことが出来ます。留学当初の頃は“艱難辛苦”のためか、私自身は時の流れをゆっくりと感じていました。

ところで、米国東海岸のNorthCarolinaと日本ではマイナス14時間の“時差”があります。夏時間は、朝が一時間早くなります。米国は広いので米国内でも時差があります。私は腕時計を二個、米国に持って行っていました。一つは日本時間のままにし、一つは米国現地時間にして使っていました。これは国際電話をかける時に便利でした。日本時間の時計を見ては、“今は日本の何時だ”なんて感慨にふけっていました。

大変お世話になったEメールは光の速さで日米を“時差無し”で往復します。図書館から夜遅くアパートに帰宅し、友達にメールを出すと日本の翌日のお昼頃に着いている訳です。

受け取った友人が夕方までに返事を書いてくれると、私が翌朝起きるとそのメールを読めるのです。日本の夜に書いてくれたメールは、 Duke Medical Centerを逃げ出して、一旦アパートに帰った時に読むことが出来ました。

メールを受け取った時は、嬉しくて嬉しくて、すぐに返事を書いていました。朝な夕なにメールを送っていた次第です。日本で受け取った人はアメリカに行った佐志から一日に二度、メールが来たと思った人も多いようですが、実は、時差の関係で一晩は寝ていた可能性が大です。

因に受け取った591通のメールの最初は整形外科井樋先生のからもので「お久しぶり。佐志隆士先生、お元気そうですね。こうしてe-mailで話していると先生が放射線科の医局あたりにいるような気がします。Medical Viewからはまだ連絡がありません。今から手術がありますので、ザールに行きます。こちらは7月13日火曜日、午前11時30分です。ではお元気で。」とあります。

因みに受信最多は、現在秋田脳研放射線科の岡根久美子先生です。留学期間中は“大和魂”で仕事と勉強をするんだと決意していたためか、“淋しい”と思ったことは無かったのですが、潜在意識では“淋しい、淋しい”毎日であったのしょう。という訳で一生、岡根先生には足を向けて寝たくはありません。

ところで“さよならParty” で ChiefのHelms教授からいだいたDuke大学特製の時計はまだ米国東海岸時間のままにしてあります。Rosewoodに埋め込まれた高級置き時計であります。♪ d(⌒O⌒)b♪感謝m(__)m感謝

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