肩関節MRI 予想外の所見 partⅠ

2005年12月から読影を開始した、MRI・CTイメージングセンター・メディカルサテライト八重洲クリニックより依頼のあった肩関節MRIの中で、予想外の所見を呈した症例を供覧する。
症例の大半は、腱板断裂、関節唇損傷が疑われていた。
肩関節は、触診での疼痛部位の特定も困難であることが多く、理学所見からの診断の特定が、他関節に比べ難しいとされている。Imaging centerでの撮像は、他医療機関からの依頼であり、患者の訴えが明らかであり、且つ依頼医師が診断、治療に苦慮した症例が多い。このため何らかの責任病変が存在し、また予想外の所見を呈する頻度が高いと想像される。 漠然と予想された疾患の有無のみを読影していると、見逃されてしまう可能性が高い「予想外」の肩関節疾患MRIを提示する。この教育展示における予想外のMRI所見は、一般病院での肩関節MRIの読影の際にも有用性が高いと考える。
目次-肩関節MRI 予想外の所見
- 筋腹の脂肪抑制T2 high change
- 肩甲下筋腱の腫脹、腱挫傷
- 上腕骨頭不完全骨折
- 関節軟骨損傷
- Hidden lesion(長頭腱亜脱臼と肩甲下筋腱損傷)
- 亜脱臼後変化(肩甲下筋損傷、他)
- 長頭腱腫脹 外傷後
- 長頭腱断裂、結節間溝内癒着
- 肥厚した烏口上腕靭帯、筋浮腫
- 亜脱臼後変化(骨性Bankart lesion)
- 肩甲下筋停止部損傷
- 棘下筋腱停止部関節側損傷
- 反復性脱臼後変化
- 筋損傷(肉離れ)
- 上腕骨大結節骨挫傷
- 後方関節唇損傷
- 腕神経叢炎(Peronage-Turner 症候群)
- 関節窩中央の軟骨欠損
- 長頭腱脱臼
- 石灰沈着腱板炎
- 棘上筋腱停止部剥離(滑液包側部分断裂)
- 大結節剥離骨折
- HAGL(humeral avulsion glenohumeral ligament)
- 腱板疎部炎(損傷)
- Os acrominaleの損傷、骨浮腫
- 上腕骨大結節不全剥離、棘上筋腱停止部損傷
- 長頭腱前方脱臼
- 棘上筋腱腫脹、停止部剥離
- 投球障害肩の後下方関節唇損傷