Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

ヘルムス夫妻、秋田での4泊5日の理由

3.ヘルムス夫妻の講演

ヘルムス夫妻が秋田に来てくれることが決まったら、セミナーの参加者の人数がとても気になり始めた。
わざわざアメリカから来て、ガラガラの会場では申し訳ない。私なりに宣伝をはじめたが、とても心配になった。
セミナー当日、蓋を開けてみると、会場はそれなりの参加者で埋まっていた。秋田という遠隔の地にもかかわらず、例年通りの参加者がいてくれて、ほっと胸をなでおろした。
セミナーのトップバッターとして私も、「肩関節MRIを通して学ぶ撮像と読影の基本」という話をした。秋田大学放射線科の「先輩が後輩を指導するという良い伝統」を伝えたかった。
続いて東北大学整形外科井樋栄二教授*に「肩関節の臨床」という内容で講演をして貰った。整形外科医の専門家にも講演をしていただくというのもこのセミナーの恒例である。
8月17日、18日両日ともにヘルムス教授とNancy先生にそれぞれ講演をしていただいた。「骨の単純X線写真」と「膝のMRI」の講演であった。私は当番幹事のために、どの講演も上の空でしか聞くことが出来なかった。後日、各先生が準備してくれたスライド・ファイルを拝見して、どの講演も素晴らしい内容で、気合いを入れてお話をしてくれたことを知り、いたく感激した。
私はセミナーの進行、ヘルムス夫妻の接待のことで、頭が一杯になり、講師の各先生に適切な挨拶、お礼をしなかったことが悔やまれた。

井樋栄二教授*は、先生の秋田大学時代に一緒に仕事をさせて貰い、肩関節についてイロハから指導を受けた。
“肩関節のMRI ”(メジカルビュー社)なる教科書も一緒に書かせていただいた。
井樋先生の米国に関する話は私の米国留学の強い動機となった。井樋先生は私を“肩関節の世界”に導いてくれた恩師である。大変、地位の高い先生であるが、私は勝手に親友でもあると思っている。

目次

  1. 第18回骨軟部放射線科診断セミナーの当番幹事になる
  2. ヘルムス夫妻、秋田に到着
  3. ヘルムス夫妻の講演
  4. ヘルムス夫妻と温泉に行く

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