ヘルムス夫妻、秋田での4泊5日の理由
4.ヘルムス夫妻と温泉に行く
セミナーが終わり、ヘルムス夫妻と温泉旅館に移動することになった。
行く途中、夫妻に“raw fish”は大丈夫かと聞くと「駄目だ」という。車を停めて、旅館に急遽、生魚の料理を変えてくれと電話でお願いした。
欧米人にとって“Sushi”の響きは良いが、“raw fish”は気味悪い印象があることを後で知った。
旅館に着いて、ヘルムス夫妻にとって初めての畳の和室で、浴衣に着替えて貰った。
夫妻は講演も終わり、とてもリラックスしているが、日本の習慣上の礼を失さないようにと大変気をつかってくれている。
ヘルムス教授は、お父さんが空軍に所属して、子供の時に福岡に住んでいたと話をしてくれた。
しかし、温泉や公衆浴場に入るのは初めてとのことである。ヘルムス教授は私と、Nancy夫人は随行のMs.Nさんと温泉に入った。
脱衣所でパンツを脱ぐところから解説をし、手拭いで前を隠しながら、二人で湯船に向かった。
露天風呂の中でゆっくり話をしていると私の大脳皮質も少しずつ英語versionになって来て、会話が出来るようになってきた。
夕食の時には、口数も少し増えてきた。この旅館は、元々高級鮮魚料理が自慢で料金を設定している。突如、すき焼き、天ぷら、肉料理に変えたものだから、女将が出てきて、「ここは田舎で、量が多くなってスイマセン」と謝っている。
そんなことは知る由もないヘルムス夫妻は、量があまりに多いので、「冗談かと思った」という程であった。
ところで、ヘルムス夫妻は何故、秋田以外の何処にも行かず、観光も、買い物もしないのかが、この時に判った。
「自分は日本語が出来ないから、とても怖くて日本には来られない。AkitaにはRyujiがいるから来ることが出来た。
Ryujiは英語も出来ないのによくアメリカに来た。Ryujiの勇気には感心する」というのがHelms教授の説明であった。
薄々は感じていたが、やはり私の英語は相当下手だったらしい。
翌朝、早く目が覚めたので一人で露天風呂に入っているとなんとHelms教授がやってきた。どうやら温泉は気に入ってくれたようである。
ほっとした。ヽ(´-`)ノ
その後、秋田の古いお寺、田園風景、・・・、我が家で家内のお茶・・・、また温泉とくつろいで貰った。
ヘルムス夫妻は、無事米国に帰られた。
セミナーの準備から最後までバイエルのMs.Nさんには大変お世話になった。ありがとうございました。
目次
- 第18回骨軟部放射線科診断セミナーの当番幹事になる
- ヘルムス夫妻、秋田に到着
- ヘルムス夫妻の講演
- ヘルムス夫妻と温泉に行く