病歴別 肩関節MRIルーチン
-肩関節MRI予想外所見partⅡ-
■病歴別 肩の痛みの原因
疼痛肩・・・腱板損傷・肩関節周囲炎(骨膜炎)
スポーツ障害・・・関節唇損傷(投球障害肩)
外傷・・・腱板損傷・骨折
不安定肩・・・反復性肩関節脱臼・動揺肩
☆症状により撮像方法を変えると詳しく評価できる。
■肩読影の基本
必ず T1とT2fat↓(脂肪抑制)を並べて、読影する。
理由:
脂肪抑制はMotion artifact にも強い。
T2で病変内の浸出液を見る
T2Fat↓は病変に敏感であり、T1は脂肪が示す構造の輪郭(骨や筋肉)を見るのに最適
T2*は、骨、関節唇の輪郭、石灰化、出血の描出に優れているが、Magic angle phenomenon 、磁化率Artifactが出現し易い。
■疼痛肩と外傷のシーケンス
疼痛肩(腱板断裂・肩関節周囲炎)と外傷(骨折による、骨挫傷・筋挫傷)の評価には、
○:Ax T2* or T2fat↓
◎:Cor T1 ,T2fat↓
◎:Sag T1 ,T2fat↓
この5シリーズのシーケンスが、適しているのでルーチンとすることを推奨する。
肩甲下筋腱損傷、上腕二頭筋腱長頭腱の損傷、脱臼を見落としやすいので、注意して読影する。
時間の無い時は以下のシリーズで診断します。
○:Ax T2*
◎:Cor T2
◎:Sag T1 ,T2fat↓
■スポーツ障害肩のシーケンス
Overhead arm movement(投球障害肩)関節唇損傷、棘下筋腱関節側部分断裂、関節窩、骨頭の変形の評価には、
◎:Ax T2* or T2fat↓
◎:Cor T1 , T2fat↓
◎:Sag T1 , T2fat↓
この5シリーズのシーケンスが適しているのでルーチンとすることを推奨する。
時間の無い時は以下のシリーズで診断します。
◎:Ax T2*
◎:Cor T2
◎:Sag T1 , T2fat↓
■不安定肩のシーケンス
◎:Ax T2* and T2fat↓
○:Cor T2fat↓ Te60ms
○:Sag T2fat↓ Te60ms
反復性脱臼肩、動揺肩の評価に適した撮像
Bankert lesion
Hill-sachs lesion
☆MR-関節造影が関節包や関節上腕靱帯の評価に優れている