Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

アメリカ留学記 ~艱難辛苦の米国留学~

-悲しかったり、楽しかったり、いじけたり、頑張ったり-

31 FloridaのOrlandoに行ったクリスマス(2)

悪徳不動産屋に拉致される。

「写真を撮ってください。」と英語で頼むのも少し勇気が入ります。

12月23日の夜に、矢田先生のcrazy laboの仕事が終わった後、中国人のション一家も交えた5人でFloridaのOrlandoに向かった。
North CarolinaのDurhamからOrlandoまでは996kmで高速道路で9時間程であった。
運転が下手な私は、徹夜でナビゲーター役をした。*翌朝目的のmotel(Quality Inn)に着いた。
フロントの横に受け付けがあり、二人の若い女性が笑顔をふりまいている。そこでDisney worldのチケットを買うと格安になるという。
我々は、迷わずチケットを買った。
ションの奥さんが持参してくれた手料理を朝食にして、我々は昼まで爆睡した。
午後からSeaworldに行った。
アザラシやシャチのショーが圧巻でアメリカは凄いとまた実感した。日本と違い、行列など全く無く、午後だけでも十二分に大満足であった。
ション一家は夕食にBurger Kingに行くという。
矢田先生と私はseafoodの店を探したが、疲れきっていたので、結局、食べたのはBurger Kingよりまずい中華だった。

翌朝、貰った地図を頼りに集合場所に行くとマイクロバスに載せられて、別の場所に連れて行かれてしまった。すでに大勢の人が待たされている。その内、手品ショーがはじまった。私は、拉致されたと気付いた。ションの奥さんと息子のジジは無邪気に食べ放題のbuffetを喜んでいる。さらに待たされたあげくに、我々は一室に通されて、インド系アメリカ人と思われる人物の勧誘話を聞くはめになった。
こともあろうに、我々にOrlandoの別荘を売りつけようという悪徳不動産屋であった。逃げ出すに逃げ出せない。集団催眠のような手口を使っていたが、我々は買える訳もないので、ただひたすら開放して貰いたかった。
その人物も我々が間違って連れて来られていることに気がついたようであったが、彼は彼で監視されておりマニュアルどおりの勧誘をしないと許されないとのことであった。詐欺師との英会話の練習をすることになってしまった。サンドバギー車に無理やり乗せられて浜辺の別荘を見学した後に、やっとチケットを渡され、ようやく朝の集合場所で開放された。我々が予定のエプコットに着いた時は昼頃になっていた。万博のように各国パビリオンがあったので、勇んで日本館に行き、“てんぷらうどん”を食べたがまずかった。日本人女性が大きな太鼓を敲くアトラクションもやっていた。
アメリカ人が期待する“日本”ではあったが、それなりに楽しかった。エプコットの売り物は各国文化と未来都市であったが、面白くもなんともなかった。どのパビリオンもガラガラで夕方までにほとんど観ることが出来てしまった。甘い言葉には気をつけろという反省が残った二日目は、例の二人組みはいなかった。
一回騙したら、他のmotelに行くのだろうかと思っていたら、翌々日には、また満面の笑みを浮かべながら二人揃って次のカモを勧誘していた。
後日、Takiさんから、よくある話だと平然と聞かされた。
命があったことと半日つぶされた日につまらないエプコットを予定していたことは不幸中の幸いであった。

*途中South Carolinaの高速のドライブインで、私だけオシッコをした。あまり荒れ果てていて恐ろしくなり、早々に車に戻った。
後日、Maryという映画DVDを見ていたら、South Carolinaのドライブインでホモ集団から主人公が襲われる場面があり、ぞっとした。
**SeaWorldはDisney worldとは別会社の海をテーマにしたamusement parkである。
米国は何もかもが桁違いで、Orlandoだけでtheme parkが20以上もあるという。
***エプコット:EPCOTはExperimental Prototype Community of Tomorrow の略である。
Disney Worldの一つではあるが、16ヵ国を代表するワールド・ショーケースと未来をテーマにしたフューチャー・ワールドから出来ている。
娯楽というより学習館という雰囲気が強かった。ミレニアム(千年)記念のパレードだけはDisneyらしくセンスの良さに感動出来た。

≪このページのトップへ戻る≫