Ryuji's room / 放射線科専門医 佐志隆士

アメリカ留学記 ~艱難辛苦の米国留学~

-悲しかったり、楽しかったり、いじけたり、頑張ったり-

14 ロッカー

図書館の3階から地下までが吹き抜けてなっていた。高所恐怖症の私が写真を撮るのは少し怖かった。
図書館の階段に掛けられてられていた絵。
天使の絵らしいが良く分からなかった。
でもとても綺麗。

艱難辛苦の始まりは、留学早々“Desk”の発音が通じなかったこと、結局、必須アイテムの机が貰えなかったこと、親切な警告を無視して直ぐに満車になる病院から離れた安い駐車場を契約したことでした。

早朝のカンファレンスに出て、午前中の読影(画像診断)に参加して、昼休を利用して行なわれるの講義が終ると“英語の嵐”の中で気が狂いそうになる私は、病院のカフェテリアの不味い食事はゴメンして、Apartに戻り淋しく食事を済ませました。午後から捲土重来、医学部図書館で夜遅くまで一人で勉強をする生活がお決まりとなりました。

Duke University Medical Centerは外来のSouth Buildingと入院のNorth Building、さらに多数の研究施設の建物(95棟程)から成り立っていました。図書館はNorth Buildingから渡り廊下でつながっており、“Seeley Mudd”という建物の中にありました。おそらくはSeeley Muddという人が相当寄付をしたのでしょう。このように多くの建物には寄付者の名前が冠されていました。この建物の一階には高級レストランがありましたが、自腹では一度も利用しませんでした。

図書館は、毎日深夜まで開いているのですが、日曜日の午前中だけは休みでした。日曜日の午前中は教会に行くというのが原則だからです。友人のDuaneも日曜日は何処かの教会に行っているようでした。何処の教会に行っているとかは本人が言い出さない限り、聞くことはタブーとのことでした。

さて図書館では自分の医学書とノートパソコンも使って勉強・仕事をするのでありますが、何せ駐車場が遠く、重くて運ぶのが大変でした。しばらくして、図書館の3階に個人用ダイヤル式ロッカーを発見しました。それで親切そうな図書館受付の青年に“Rockerを使わせて欲しい”と頼みました。

留学前から“R”の発音には自信があり、思い切り舌をまいて“rocker”と発音しました。その青年は困惑の表情を浮かべるのみであります。仕方がないのでロッカーの“大きさ”や“用途”を説明して、何とかロッカー使用の申し込み用紙を手に入れることが出来ました。用紙を見てロッカーが“Locker”であることに気付いた次第です。発音に自信があっても、“R”と“L”の聞き取りが出来ないことが間違いの原因であります。

留学中、笑顔が素敵で親切そうな青年には沢山出会いましたが、ちょっと怖いのが“ホモ”の存在でいた。Duke大学の中にもホモクラブがあると聞かされていました。後日、大学近くの教会の庭で日曜の朝の礼拝に参加している図書館の青年の姿を偶然発見して、彼が正真正銘の親切な青年あることを確信しました。私はやっぱり“ホモ”の可能性が絶対に無い親切な“お姉さん”の方がずーっと大好きです。

≪このページのトップへ戻る≫